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サン=サーンス 交響曲第3番≪オルガン付き≫ [音楽]

DACを変えて、DAC→パワーアンプ間のケーブルを変えてからというもの、メインCDトランスポートでクラシック作品を聴くのが楽しくて楽しくて・・・



んで、私はクラシックではベートーヴェンの交響曲全般、ホルストの組曲「惑星」、サン=サーンスの交響曲第3番≪オルガン付き≫が好きで、特にベートーベンの交響曲第9番、「惑星」、「サン=サーンスに関してはCDショップで持っていないものを見つけるとついつい買ってしまう癖があります。



で、今回は特に今、集中して聴いているサン=サーンスの交響曲第3番≪オルガン付き≫のCDを11枚ほどをレビューしてみようかな・・・と。



 

指揮者 Jean Martinon
演奏 Orchestre National de l'ORTF
オルガン Bernand Gavoty
録音 1975年
録音場所 Eglise Saint-Louis des Invalides,Paris
レーベル BRILLIANT CLASSICS
型番 94618
演奏 ★★★★★★☆☆☆☆
音質 ★★★★★★★☆☆☆

演奏はやや中庸ながらややスピード感があり華やか。

音質もなかなか良く、ステージの奥行きが深くよく見える。ただ、後方の管楽器の音が広がりすぎて少し解像度が甘くなる瞬間がある。しかし、1975年録音と言うことを考えると、かなりマスタリングには気を遣ったか?

オルガンは重低音が響き渡る・・・というものではなく、中~高域が良く伸びた神々しい音色。

重低音部のオルガンの音色も入ってはいるが、ただ、オルガンが入って以降の解像度は全体的に甘くなりがち。

なお、第1楽章前半後半、第2楽章前半後半がまとまって収録されているため、第2楽章のオルガンがワーッと登場するところから聴きたい・・・というのができないという難点があります。







 

指揮者 Herbert von Karajan
演奏 Berliner Philharmoniker
オルガン Pierre Cochereau
録音 1981年
録音場所 Berliner Philharmoniker
レーベル Deutsche Grammophon
型番 POCG-20003
演奏 ★★★★★★★★☆☆
音質 ★★★☆☆☆☆☆☆☆

演奏はカラヤン指揮のベルリンフィル!というのが一発で分かるようなスピード感とスリリングな気迫は十分・・・なのだけれど、なんだか全般的に音がくぐもっている。

オルガンもノートルダム大寺院のオルガンを別録りしてMIXしているのだけれど、オルガンの迫力の無さたるやガッカリしてしまいます。

雄大に鳴り響くのはベルリンフィルの演奏で、その後ろに録音に失敗したようなオルガンが添えられているのが耐えられず、ほんと、今からでも良いのでこのベルリンフィルの演奏に合うオルガンの音をしっかりと録音してきてMIXし直していただきたい!

カラヤン+ベルリンフィルの組み合わせは私は大好きなのですが、これは・・・何度も聴き返さないだろうなぁ・・・。





 

指揮者 小澤征爾
演奏 フランス国立管弦楽団
オルガン Philippe Lefebvre
録音 1985年
録音場所 Salle Wagram,Paris
レーベル Warner Classics
型番 WPCS-13230
演奏 ★★★★★★★☆☆☆
音質 ★★★★★☆☆☆☆☆

コチラもスピード感があり、ダイナミックな演奏・・・なのだけれど、なぜだろう第1楽章と第2楽章の録音レベルが全然違う。

音質も第1楽章は見通しが良くステージの広がりを感じ、若干ライブ過ぎるところがあるけれど、第2楽章は全てが控えめになっており定位も甘い。

別録りのシャルトル大聖堂のグランドオルガンも荘厳さは感じるものの、圧倒されるような迫力までは感じない。

コレもやっぱりミキシングとマスタリングの差なのかなぁ・・・。

内容自体はとても良いので音質に足を引っ張られてしまっている。





 

指揮者 Yannick Nezet-Seguin
演奏 Orchestre Metropolitain du Grand Montreal
オルガン Philippe Belanger
録音 2005
録音場所 Oratoire Saint-Joseph du Mont-Royal
レーベル ATMA Classique
型番 SACD2 2331
演奏 ★★★★★★★☆☆☆
音質 ★★★★★★★☆☆☆

前の3作に比べるとわずかながらゆっくりとしたペースの演奏でじっくりとメロディーを楽しませてくれますが、第2楽章からはやっぱりスピードが上がってきます。

各楽器の音が非常にクリアで、奥行きと天井の高さを感じることができる程空間情報が詰まっています。

パイプオルガンも備え付けのものなのでオーケストラの音とも違和感なく融合し、雄大で重低音から高音まで楽しむことができますが、基本的に柔らかい音調のパイプオルガンなので、好みは分かれるかも。

SACDサラウンドで聴く環境があれば、パイプオルガンに包まれる楽しさを体感できるのかもしれませんが、ステレオ再生ではそこまでの抱擁感はありませんでした。







 

指揮者 小林研一郎
演奏 名古屋フィルハーモニー交響楽団
オルガン 小林英之
録音 1998年
録音場所 サントリーホール
レーベル EXTON
型番 OVCL-00079
演奏 ★★★★★★★★☆☆
音質 ★★★★★★★★★☆

さすが炎のコバケン。情熱的でダイナミックな演奏です。

そしてその演奏を更に引き立てているのが音の良さ。非常に解像度が高く、ステージの広さと奥行き、高さが楽器の繊細な余韻の広がりでしっかりと把握できます。

また、ノイズがリアル。お客さんの咳払いや足音、座席がきしむ音などがまさにサントリーホールで聴いているような錯覚を覚えさせるほど細かくリアルです。

更にオルガンが合流する第1楽章後半ではオルガンがオーケストラの楽器の音色をにじませること無く、オーケストラの後ろから会場全体を暖かい音色で包んでいきます。

コバケンの唸りもしっかり聞こえます。さすが音質にこだわったレーベル。


 


 


 


 

指揮者 Leonard Slatkin
演奏 フランス国立リヨン管弦楽団
オルガン Vincent Warnier
録音 2013年
録音場所 Auditorium de Lyon,France
レーベル NAXOS
型番 8.573331
演奏 ★★★★★★☆☆☆☆
音質 ★★★★★★☆☆☆☆

演奏がほんの少し演出過剰な気がしなくも無いですが、それもなんだかフランスっぽいというような気がしないでも無い。

音質に関して言うと、悪くは無いのですが鮮烈さに欠け、オルガンの迫力も後退気味です。

これ、音質が抜群に良ければ、そしてオルガンの迫力がもっとあれば・・・かなり「芸術的」な作品になったのでは無いか・・・?などと思えてしまいます。

チョット残念。


 


 


 


 

指揮者 Michael Stern
演奏 Kansas City Symphony
オルガン Jan Kraybill
録音 2013年
録音場所 Helzberg Hall
レーベル REFERENCE RECORDINGS
型番 RR-136SACD
演奏 ★★★★★★★☆☆☆
音質 ★★★★★★☆☆☆☆

SACDとCDのハイブリッド作品の本作、こちらもSACDサラウンド再生環境があればより楽しめるのかも・・・。

演奏はオーソドックスながらダイナミックで結構聴き応えがあります。

音質に関して言うと、なんだかムラがある感じ。

ヴァイオリンの弦の音が綺麗だな・・・クラリネットも透明感があってイイ音色だな・・・と思っていたら、第2楽章から急に音がくぐもってしまって・・・とか、曲の途中で急に鮮度が復活したりとか・・・。どう評価して良いのか悩みます。

オルガンの超重低音がたっぷりと入っていてスピーカーの鳴らし甲斐があるのに、チと勿体ない。

(まぁ、そのオルガンも音の抜けが悪いのでコチラもチと残念)


 


 


 


 

指揮者 Daniel Barenboim
演奏 Chicago Symphony Orchestra
オルガン Gaston Litaize
録音 1975年
録音場所 Chicago & Chartres(France)
レーベル Deutsche Grammophon
型番 UCCG-40008
演奏 ★★★★★★★★☆☆
音質 ★★★★★★★★★☆

本作はPLATINUM SHM-CDフォーマットの作品で、高音質盤としてCDの素材自体を見直して音楽CD規格に適合しなくなってしまったもの。(一般のCDプレイヤーで再生できますが、一部プレイヤーで再生できない場合あり) バレンボイムによって統制されたシカゴ交響楽団の演奏はお見事。

何せこの作品自体は1975年に録音されて1976年に世に発表されて支持されてきた作品なので、演奏自体に問題があるわけが無いのです。たぶん。

音質はというと、なるほど、1975年に録音した作品とは思えないほど鮮烈。

各楽器の音色と奥行きがしっかりと、繊細に収録されています。

オルガンも「これでもか!!」というほどの超主張で非常にドラマチック。

本作のオルガンはフランスで別録りされたものなのですが、別録りでこんなにもシンクロするものなのか・・・とビックリするほどオーケストラとオルガンが一体化しています。

ただ、いやいや・・・オルガン、強すぎでしょう、嫌いじゃ無いけど(笑)。


 


 


 


 

指揮者 Charles Munch
演奏 Boston Symphony Orchestra
オルガン Berj Zamkochian
録音 1959年
録音場所 Symphony Hall,Boston
レーベル BMG CLASSICS
型番 82876613872
演奏 ★★★★★★★★★☆
音質 ★★★★★★★★★☆

この後続く同一録音盤3作品のトップバッターはSACDのハイブリッド盤。 1959年録音とは思えないノイズの無い鮮烈な音で、演奏の細かいニュアンスをたっぷりと楽しめます。

音としては、各楽器の音が一部誇張されているような印象も受けますが、それ故に聞こえにくい楽器が埋もれてしまわずに聴きやすく整理整頓されています。

SACDで聴くとホールの空気感は非常にリアルに描写されるのですが、全体の音の線がやや細く感じられてしまい、個人的にはCDの音の方が好きです。

肝心のパイプオルガンですが、天に突き抜ける高音から地を這う重低音まで、パイプオルガンで打ちのめされたい時に得たいもの全てがギューッと凝縮されております。そう!これこそがパイプオルガン!!


 


 


 


 

指揮者 Charles Munch
演奏 Boston Symphony Orchestra
オルガン Berj Zamkochian
録音 1959年
録音場所 Symphony Hall,Boston
レーベル Victor
型番 JMCXR-0002
演奏 ★★★★★★★★★☆
音質 ★★★★★★★★★☆

上の盤と同じ録音ですが、こちらは3chのマスターテープをビクターが誇るK2技術を余すところなく注ぎ込んでマスタリング、カッティングを施したXRCD2盤です。

先ほどのSACD盤と同じように録音の古さを全く感じない鮮烈さはそのままに、音1音1音に深さというか、生々しい熱気が感じられます。

私はこの盤でこの楽曲の素晴らしさに感動し、色々と集めるきっかけになりました。

ちなみに、ホールの空間再現に関しては、SACD盤の方が上です。

なお、このXRCD盤はこの楽曲以外のおまけは入っておりません。サン=サーンスの交響曲第3番に全力投球なのであります。


 


 


 


 

指揮者 Charles Munch
演奏 Boston Symphony Orchestra
オルガン Berj Zamkochian
録音 1959年
録音場所 Symphony Hall,Boston
レーベル Victor
型番 JM-CXR0002S
演奏 ★★★★★★★★★☆
音質 ★★★★★★★★★★

最後は、上記のXRCD2盤から更にこだわり、ディスクの素材をSHM-CD化した盤です。

なんと言うことでしょうか!

XRCD2盤でやや後退してしまっていたホールの空間再現がこの盤では見事に再現されており、しかもXRCD2盤の生々しさや音の深みがそのまま、いや、更に進化をして居るではありませんか!

今のところ、このディスクが私にとってのサン=サーンス項協力第3番<オルガン付き>の最高峰です!


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