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2013年2月26日 篠笛奏者こと『龍の目醒め』コンサート [音楽]

2月26日、先日のブログでもご紹介しました神楽笛・篠笛奏者のことさんのCD発売記念コンサートが文京シビックホールの小ホールで開催されたので行ってきました♪



会場に到着するといきなり目に飛び込んできたのは、ステージ上に設置された神楽用の演奏台と大きな幕。

そう、今日のコンサートではことさんが所属している広島の神楽団「苅屋形神楽団」の演舞があるのです。

ことさんのCD『龍の目醒め』を聴いて以来、ずっと神楽を観たいと思っていたので、今回のコンサートはまさに渡りに船だったのです。

これから神楽を観られるんだ・・・とワクワクしながら開演を待っていると、約370席有る座席はどんどん埋まっていき、開演前には満席に!
その後、最前列に追加でイスが用意されるほどの大盛況ぶりでした。



というわけで、開演時間になり、白装束に水色の袴を着たことさんと大太鼓、締太鼓、チャッパ(だっけ?)の楽団員が登場。

幕(の向こうの神様?)に向かってお辞儀をして列を乱さずそれぞれの持ち場へ。

ことさんは演奏前、篠笛を両手で掲げて神様にお辞儀。
MEGでチラッと聴かせてくれた時にも同じ仕草をしていましたが、恐らく篠笛を吹かれるときにはいつも同じようにして敬意を払っているのでしょう。

篠笛と同時に大太鼓が叩かれ、会場内には緊張感が走ります。
なんだか一気に邪気が払われたような瞬間でした。

本日の演目は「磐戸」。
いわゆる「天の岩戸」です。

様々なお面と衣装を着た楽団員が曲中に舞い、曲が終わると口上を述べるのですが、口上がいわゆる現代語ではないので理解に時間がかかるモノもあるのですが、天の岩戸というあまりに有名な話なので何とかついて行けました(笑)。

そして篠笛の演奏もじっくりと観て、聴きましたが、なるほど、ことさんの『龍の目醒め』で繰り広げられる演奏技法、世界観のルーツは「神楽」なんだな・・・と改めて実感する事が出来ました。
ことさんの篠笛を聴いていると、当たり前なのかも知れないけれど、高速に旋律を奏でるところ、音をしゃくり上げるところ、どこをとっても迷いの無いスッっと筋の通った演奏・音色で、健やかで晴れ晴れとしていて何とも心躍る気分になります。
神楽なのに、思わずジャズライブよろしく足でリズムを取ってノッてしまいました。


それにしても、考えてみればこうやってじっくりと神楽を観たのは初めてです。
NHKやらでチラッと目にした事はありますが、なるほど、こうやって改めて観てみるとさすが伝統芸能、演奏、舞い、どれも練られた凄味があります。

石見神楽は島根西部や広島北部では今でも非常に盛んらしいのですが、小さな頃からこういう伝統芸能に馴染める環境って素晴らしいものがあります。

それにしても、能の演奏も同じなのですが、この楽器の音色と太鼓のリズムを聴いていると、馴染みはないはずなのになぜか落ち着くのは、やはり日本人としてのDNAなのでしょうか。


舞いと演奏に圧倒されていると、アッと言う間に1stステージ神楽の部は終了してしまいました。

う~ん、これはもっとじっくりと様々な演目を観てみたいかも。



さて、休憩時間を挿んでいよいよ2ndステージでは『龍の目醒め』ライブです。

ことさんは先ほどの白装束青袴からCDジャケットで着ていた龍の鱗の様なドレスを着て登場です。
あ、シッポも生えてる。



演奏は先ずCDの2曲目に収録されている「国生み」から始まりました。

20130226_203908.jpg


ここでホォ~と嬉しくなったのが伊藤ハルトシさんのチェロ。
CDで聴くよりも艶っぽく、コントラバスには無いチェロの低音と高音の美しい音色で歌うような演奏を聴かせてくれます。

そんな伊藤さんのチェロにウットリしていると、ことさんの篠笛がハツラツと入ってきて一気に盛り上がります。

なるほど、あの神楽の後だと、CD1曲目の「龍の目醒め」の静かな出だしよりも「国生み」の晴れやかな出だし、爽快でスピード感のあるメロディーがバッチリです。

ことさんの篠笛の音色はとても澄んでいて、そこに先ほどの神楽で培ったテクニックを上手く軽やかに盛り込んでくるので、もう、聴いていると思わずニンマリ。

そして「月のことば」では篠笛の表情がガラッと変わり、しっとりとした温かみのある音色で、まるで語りかけるような演奏を聴かせてくれます。

さらにさっきまでドラムを叩いていた五味俊也さんがキーボードを弾き、幻想的に曲を演出していきます。

「青龍」では、それまでギターを弾いていたKOHKIさんが三味線を!
伊藤さんといい五味さんといい、そしてKOHKIさん・・・みんな複数の楽器を駆使し、それぞれ一級の演奏を聴かせてくれるので、楽器構成が変わることによる音色の変化を楽しめるだけでなく、曲が変わる毎に全員の演奏から目が離せなくなってしまうのです。

これはライブならではの感動です。

そして忘れてはいけないのが、ことさんと共に紅二点でバンドをしっかりと支えている今橋正江さんのベース。
PAから出てくるベース音はCDよりも茫洋としていましたが、それでもしっかりと芯のある演奏でリズムをキープし、まさに縁の下からバンド全体を支え、盛り上げています。


とにかくメンバー全員の技術が非常に高く、その技術を「これでもか!」と聴かせるのではなく、しっかりと曲の世界観を聴かせる事に集中していたので、コチラは構えずにその世界観にドップリと浸っている事が出来ました。

これでインプロビゼイションも盛り込んでくるようになったら・・・このバンドは、ことさんはどこまで世界観を広げてしまうのでしょうか・・・


ハッキリ言って今後の活躍にも超期待です♪



ライブ終了後、ロビーでCDやグッズの即売会とサイン会が開催されましたが、大勢のお客さんで賑わっていました。

オイラもCDを持参し忘れたので、CDを買ってサイン会の列に並びます。

オイラの番になると、「あー!後藤さん~!!」と、覚えていてくれたようでした。


それにしてもことさん、演奏の時の凛々しさとは打って変わって、喋るとアニメみたいな声というか、可愛らしい声で人懐っこくなるので、ギャップが激しい。
でも、そこが楽しく可愛らしい。
「ことちゃ~ん!」と、お客さんに人気があるのもこういうところなんでしょうか。



尚、この後


3月16日(土)には名古屋の善光寺別院願王寺で19時から

4月26日(金)には広島の安佐南区民文化センターで19時から

5月15日(水)には大阪のザ・フェニックスホールで18時30分から


龍の目醒め」発売コンサート『龍の大宴会〜太古の記憶が目醒める時〜』が開催されますので、是非行ってみてはいかがでしょうか?

詳細はことさんHPの「ライブスケジュール」でご確認下さい。



龍の目醒め / こと
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